ポッドキャスト社内報が変えるコミュニケーション

なぜ今、“声”で伝える社内報なのか?
「うちの社内報、誰も読んでないんですよね」
このセリフ、これまで多くの社内報担当から聞きました。
紙で配っても、メールで送っても、社内ポータルに載せても、読まれない…。読まれたとしても、「へぇ」で終わってしまう。作り手の思いとは裏腹に、情報だけが一方的に流れ続けていく。それが今、多くの企業が抱える“社内報の課題”です。
メディアの多様化もその一因。精読率という点では、意外なことに一番強いのは今だに「紙」だったりします。
では、どうすればもっとつくったものが読まれるのか? 伝わるのか?
答えのひとつが、「音声」です。なかでも、ポッドキャストという形式は、これまで社内報がリーチできなかった層にしっかりと届く新しい手段です。
■「目が使えない」職場こそ、音声が刺さる
トラックドライバー、製造業の現場作業者、配送スタッフ。
彼らは日常的に「目」と「手」がふさがっています。
それゆえに、PCや紙を読む暇もない。そんな状況では、いくら社内報を配っても、“読む”という行為自体がハードルになります。
しかし、「耳」は空いている。
ポッドキャストなら、運転中や作業中、休憩中に「ながら聴き」が可能です。スマホにイヤホンをつなぐだけ。習慣さえつけば、毎週10分程度の音声でも継続的に聴いてもらえます。
実際に導入したある物流会社では、配達ルート中のトラック内で「ラジオ感覚」で聴いてもらえ、配信2ヶ月で社内の話題共有が目に見えて増えたという声がありました。
■“伝える”ではなく“伝わる”へ
社内報の本質は、単に情報を伝えることではありません。
経営の考え方、現場の努力、組織の方向性を、社員一人ひとりの心に届かせること。つまり“伝わる”ことにあります。
この“伝わる”という観点で考えたとき、音声には非常に大きなアドバンテージがあります。
- 話し方の抑揚、感情、間の取り方
- 笑いや共感のリアクション
- 台本にはない“その人らしさ”
これらが音声にはすべて詰まっているのです。テキストには出せない“体温”のような情報が、リスナーの心を動かすのです。
例えば、社長の人柄と目指す経営の方向性、社員に還元したいと思う気持ち
配車の担当者から、「毎日大変なスケジュールを組んじゃってごめんなさい。でも私も本当に大変なんです、皆さんにしわ寄せがいってるのわかってるですが、こうしないと回らないんです。でもいつか改善します!!」なんてド直球の本音
ドライバーが直接社長に対談を申し込むのも面白い
こういう紙やウェブなどでは表せない「声」だからこそ伝わる強さがあるんです。
■組織文化を耳で育てるという発想
社内文化は、目に見えません。でも確かに存在するものです。
その文化の源泉は、理念や制度ではなく、「人の価値観や態度、空気感」です。
つまり、「誰がどんな言葉で何を語っているか」が文化を形成する土壌になります。
ポッドキャスト社内報は、そういう社員が組織文化に触れる“音声体験”を提供します。
- 社長が語るビジョンと苦悩
- ベテラン社員が語る現場のやりがい
- 新入社員が語る「入社して感じたこと」
テーマこそは固いですが、こうした“語り”を定期的に発信することで、理念ではなく実感としての文化が社員に染み込んでいきます。具体的なだけに「伝わってしまう」んです。
■導入ハードルは意外と低い
「でも、ポッドキャストなんて作れない…」
そう思う方も多いでしょう。ですが、実際にはスマホ1台あれば十分です。
録音→編集→配信の流れも、慣れれば30分で完了します。
特別なスタジオも機材も必要ありません。むしろ、少し雑音が混ざるくらいのリアルさが、社員の“共感”を生むのです。
おすすめは、週に1回・10分程度から始めること。
ゲスト社員を呼んでカジュアルに話すスタイルなら、出演者の巻き込みにもつながり、社内で「次は誰が出るのか?」という期待感も生まれます。
実際に、月に一回1時間程度の収録で、まかなえてしまう程度のコストしかかからないものなのです。
■“声”こそが、組織を変える新しい社内報
これからの社内報に求められるのは、「読ませること」ではなく、「感じさせること」。音声には、その力があります。
紙やWebで限界を感じているなら、まずは1本。スマホで録音して、社内に流してみてください。
「こんな社内報、初めてだ」
そう言われる未来が、すぐそこにあります。
「伝わってしまう」社内報文化
これはリアルな社内報最前線の話です!