社内報は「紙」が一番! と少しだけ強めに断言できる訳

デジタル時代だからこそ光る「紙」の価値

私たちの生活は、デジタルツールやオンラインコミュニケーションの浸透によって大きく変わりました。情報を得る手段も、パソコンやスマートフォンが主流となり、手元で簡単にアクセスできる便利な時代です。こうしたデジタル化の波は企業内のコミュニケーションにも影響を与え、社内報もデジタル版が席巻しています。

 

しかし、そんな時代だからこそ、「紙の社内報」の価値が再び見直されています・・・、というよりは、思っているよりも、紙媒体の社内報が減らず存在感を出している点が注目すべき点です。紙媒体だからこそ実現できる効果や、デジタルでは代替できない独自のメリット、それらを本質的に理解されている企業が多いことが理由と思われます。

 

紙の社内報には、企業と社員、そしてその家族をつなぐ力があり、それはデジタルでは真似できない特別な魅力です。この記事では、「なぜ紙の社内報がデジタル版にはない価値を提供できるのか」を、3つの主要なポイントに分けて詳しく解説していきます。

 

 

1 紙だからこそ集中して読まれる

デジタル時代の「情報疲れ」

私たちは日々、大量の情報に囲まれています。スマートフォンやPCの画面を通じて、次々と流れ込んでくるメッセージや通知、広告にさらされる生活。必要な情報だけを効率よくキャッチするつもりでも、気づけば膨大な情報に圧倒されていることが少なくありません。

 

企業内の情報共有も同様です。社内SNSやメールを活用して情報を発信する企業は増えていますが、それらの多くは「忙しい業務の合間」に目を通されることがほとんど。社員の目に一度は触れるかもしれませんが、深く理解されることなく流されてしまうことも多いのではないでしょうか?

一方で、紙の社内報は「集中して読まれる環境を作る」という点で優れています。

参考:紙・ウェブ・アプリ 社内報の媒体選択の特性を考える

紙の特性が生む「集中力」

  • 物理的な存在感: 紙の社内報は、デスクやリビングテーブルなど、目につく場所に置かれることで、社員やその家族の意識に自然と働きかけます。「いつか読もう」という気持ちを喚起し、実際に手に取るタイミングを生み出します。
  • 雑音が少ない環境: スマホやPCで情報を得る際には、他の通知やメッセージに気を取られやすく、集中力が削がれてしまいます。紙の媒体は、そうしたデジタル特有の「雑音」がないため、読者は目の前の内容に集中しやすくなります。
  • 目に優しい: 長時間のスクリーン閲覧は目に疲労感を与えますが、紙は目に優しく、ストレスを感じずに読書に没頭することができます。

夜にスマホを見ると「つい続けてしまう」けれど…

夜、ベッドに横になりながらスマホを手にして、SNSやニュースを「ちょっとだけ」のつもりで眺めていると、気づけば何十分、時には何時間も過ぎてしまった経験はありませんか? スマホの画面は、ブルーライトという目に刺激を与える光が発せられるだけでなく、「次を見たくなる」アルゴリズムに基づいて作られたコンテンツが並んでいます。そのため、次々と新しい情報を求めてしまう仕組みが自然と働き、やめどきが難しいのです。

 

一方で、紙の本や雑誌を読んでいると、読者は自分のペースで内容に集中し、自然とリラックスした状態に入ります。読み進めるうちに「眠くなってきた」という感覚を覚えることも少なくありません。これは、紙の媒体が心を落ち着かせ、適度な集中をもたらす特性を持っているからです。

 

社内報も同じです。紙で作られた社内報は、デジタル版に比べて**「必要な情報を、読者が集中して受け取れる」**環境を整えてくれるのです。

2  家族にも見せられる——共有される紙の温かみ

紙の社内報のもう一つの大きな特徴は、家族や身近な人にも共有できる点です。

デジタル版の社内報は、基本的に社員個人の端末に届き、社内のコミュニケーションの枠内で閉じてしまいがちです。しかし、紙の社内報は、家に持ち帰り、リビングのテーブルに置かれたり、家族の目に触れる機会を生み出します。これにより、社員と家族、そして企業とのつながりが自然と生まれるのです。

家族との会話を生む社内報

たとえば、こんなシーンを想像してみてください。

社員が持ち帰った社内報を読んでいる横で、家族が「何を読んでいるの?」と興味を持ち、ページをめくり始めます。そこには、社員が関わったプロジェクトや成功事例が特集されている記事が。「あなた、こんな仕事をしているのね!」「すごいね、会社でこんなに認められているんだ」、「この人面白いね、こんな方と仕事してるんだ」、「社長ってけっこうまともな人じゃない(笑))と、家族の間で自然と会話が広がります。

紙の社内報には、こうした家族の理解と共感を生む力があります。

会社の価値を家庭にも届ける

また、社内報を通じて家族が企業の活動や文化に触れることで、「この会社なら安心だ」と感じてもらえるケースもあります。福利厚生の紹介や家族も参加できるイベントの案内、社員が表彰されたニュースなどは、家族にとっても喜びや安心感を与える内容です。

企業にとっても、社員の家族との関係を築くことは重要です。家族の理解や協力が得られることで、社員の働きやすさやモチベーションが向上し、企業への信頼感も高まります。紙の社内報は、家族との「橋渡し役」として、大きな役割を果たしているのです。

3 手に持つことで得られる「企業との距離感」

紙の社内報の物理的な特徴は、「企業とのつながりを実感させる」という特別な効果を生み出します。

紙の厚さや手触り、印刷の質感などは、企業が社内報に込めたメッセージを強く感じさせます。特に、デザインやレイアウトにこだわった社内報は、それを手に取った瞬間に「丁寧に作られている」「大切に届けられている」という印象を受けます。

また、ページを一枚ずつめくりながら内容を読み進める行為は、読者に情報をじっくりと受け止める時間を提供します。デジタルのように「一瞬で次へ進む」わけではなく、一つひとつのページに向き合うことで、企業の思いやメッセージがより深く伝わるのです。

紙の社内報が企業にもたらす効果

紙の社内報は、企業にとってもさまざまなメリットをもたらします。

  1. 社員との絆を深める: 紙という手間をかけた媒体は、企業から社員への愛情や誠意を感じさせます。
  2. ブランド価値を高める: 紙の質感やデザインにこだわることで、企業のブランドイメージが強化されます。
  3. 家族や地域への浸透: 紙の特性を活かし、社員の家族や周囲にも企業の良さを広めることができます。

デジタル時代にこそ「紙」が求められる理由

デジタル化が進む現代だからこそ、「紙」が持つ特別な価値が光ります。紙の社内報は、社員が企業とつながり、家族と企業が近づくための重要なツールです。

もし、社内報をデジタル化しようと検討しているならば、紙が持つ魅力をもう一度見直し、紙とデジタルを組み合わせたハイブリッドな活用を考えてみてはいかがでしょうか?