サパ(ベトナム)のモン族の少女について思ったこと

ベトナムの北部、中国との国境付近にサパという小さな街があります

 

フランスの統治時代に避暑地として開発された場所で、
標高が高いために南国ベトナムの割には涼しく過ごしやすいところ
もともとは少数民族モン族のエリアで、この地を訪れると手作りの服や土産を売る
モン族のおばさんや少女たちと否が応でも接点を持つことになります

 

僕はその地で、10歳前後の土産売りの少女たち数人と仲良くなりました
「買えー、買えー」(日本語)でしつこくついてくるのを、からかいながら相手をしてたら
いつの間にか打ち解けて、暇になったら自分のところに遊びに来るようになっていたのです

 

滞在5日目くらいの朝、えらい早い時間に宿のドアを叩かれました
見ると少女たちが山へピクニックに行くからついてこいというのです
「だるっ」と思いつつも、面白いとこ連れていってくれそうだという期待のもと、
部屋をシェアしていた友人とともに、着の身着のままでかんたんな身支度で出発

 

まさかそのまま片道4時間も歩かされるとは思いも知らず・・・
しかも、その行程の風景もゴールであった山も、こういっちゃなんだけど
「大したことない」・・・・

 

「いやー、つかれたねー」と友達と苦笑しながら休憩していたとき
少女の一人が集団からポツンと離れて、歌を歌い始めました

 

僕たちは????です
どうしたんだろ?と思ってみていたら

 

そのまま歌いながらついには大粒の涙がいくつも彼女の頬をつたいました

 

ええっ? と僕と友人は驚きました。
ところが他のモン族少女たちは、何も気にしていません

 

歌っていた少女はひとしきり歌い、涙を流すと、そのままみなに交ざり
石を棒で打って当て合うという子どもそのままの遊びに入っていきました
もちろん、その時にはいつもどおりの笑顔で

 

帰り道
歌いながら歩いていたまた別の少女が、一行からやや遅れだしました
もっていた木の棒をやる気なさそうに振り回しながら、やはりその子は涙を流しながら歌っていました
仲間はまったく気にせず、歌い終わった子は何もなかったかのよう戻って仲間と遊びだす
さっきと同じような光景

 

歌って悲しい気分になったら涙を流す

 

僕と友人が見たのは、このたぶん当たり前の風景でした
街に戻り、彼女たちと別れ、一杯飲みながらも
この話は友人とは特にしませんでした

 

今度会ったら、この話をしてみようと思います
やつは、絶対覚えていると思います
あの時、なにか落ちたような顔をしていましたから
たぶん、僕もそんな顔だったんだろうと思います

 

おわり

 

なぜか今日は朝から、この話を思い出してしまいました
そしてブログに書いてみるのもいいなあと思った次第であります
気が向いたら、インドのあんな話やトルコのあんな話も書いてみようと思います

 

今日も読んでいただき、ありがとうございました!!!
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