2019年 社内報のトレンド

新人の採用状況や求人倍率、日経平均など、さまざまな指標を見る限り、経済は上向いている
(日経平均は多少の乱高下はあるものの・・・)
そこに紐づくさまざまなトレンドは猛烈なスピードで移り変わっている

 

そのスピード感から比べると、社内報は変化はが遅い媒体だ
長いところでは数十年の歴史もあり、「うちの社内報はこういうものだ」という硬直もみられたりする
多くの企業内がそうであるように、社内広報に
十分な予算やマンパワーは割けず、そうそうリニューアルもしていられない

 

だからといって変化がないわけではない
その方向は確実に一つだ
それは、

 

「実を求めている」

 

という点だ
言うまでもなく社内報の発行目的は、経営課題解決に端を発す
理念浸透、経営方針の伝達、社長の考えを伝える、コミュニケーションの活性化
モチベーションアップ、成功事例の共有、部署間の緩和、離職率改善などなど
大きいものから小さいものまで、さまざまな課題解決を意図して
企画が練られ、あの手この手でその改善への一手として記事が組まれている

 

その流れは、今までのこれからも変わることはないだろう
社内報の存在理由がそれだからだ

 

だがその効果を厳しく問われ出している感は、現場に接していて痛いほど伝わってくる

 

コストを投じるだけの価値があるのか?

 

という問いに対して、社内報は基本的に明確な答えをだしにくいメディアだ
我々専門の制作業者でも、社内報の費用対は?と聞かれると、納得してもらえる解を出すことは難しい
雑誌ならば販売部数や広告収入などわかりやすい数値があるが
理念浸透を社内報がどの程度達成できたか? という疑問を数値化することはできないからだ

 

だが、そこが今問われ出している

 

さまざまな企業の社内報担当者は、そういうプレッシャーを感じているのではないだろうか?

 

そのためにできることは何か?
それは、社内報の発行目的の先鋭化に尽きる
号毎ではなく、企画、ページ、コーナーそれぞれに明確な意図と狙いをもって
作ることが、もっとも実を出す近道だ

 

弊社の事例でこんなことがあった

 

ある案件で大幅なリニューアルの際に獲得した仕事で
新人紹介のページをかなり豪快に変更してみた

 

狙いは、新人のやや高めの離職率を抑えること

 

そこで、なるべく職場に溶け込みやすくなるような記事を作ることを考えた

 

社員証みたいな写真ではなく、とびきり笑顔のプライベートカットを乗せ
入社の堅い抱負はそこそこに、趣味や性格を前面に出し
新人らしい夢や、先輩への質問などもトピックに加えた
また、ユニークなキャッチを自分自身で考えさせて掲載してみた

 

新人が配属される前に、職場の先輩たちはその子のことが具体的に知っている状態を作り
迎え入れるためのハードルを下げたかったのだ

 

その結果、その年、ただの一人も新人が辞めなかった

 

これを社内報の成果です! と宣伝することも証明することも残念ながらできないが
「成果に少しくらいは起因した」くらいは言えるはずだ

 

付随して、その社内でそれまでの社内報よりもはるかに高い評判をもって評価され
精読率も上がり、アンケートの回収率も向上し、その内容も好意的だった

 

これが実をとるということだ

 

それは言い換えれば、
「読まれない」「効果が見えない」
で当たり前だった社内報の存在が許されなくなってきている

 

といことでもある

 

これは、社内報のトータルで、特集で、連載で、コーナーで、
その一つ一つに明確な狙いを持って、そのための記事づくりをしていく必要がある

 

(おそらく専任でない方も多いであろう)社内報の担当者は、プロに近い視点で
企画を練っていく必要が生まれてきている

 

これは、我々へのプレッシャーでもある
昨年でさまざまな社内報を制作していくなかで、肌で感じたプレッシャーだ

 

効果を感じられる社内報づくり

 

これが2019年に、より具体的に目指す社内報の姿だと
私達は考えている