アフターコロナ、ウィズコロナでの社内報

ビフォーコロナの社内報

ここ数年、様々なお客様の社内報の制作の方向性は、完全に多様化傾向にありました。

「社内報かくあるべし!」

というような、原理主義的な社内報論などはとっくに失われており、社内報のお手本の代名詞のようにいわれてきたリクルートの『かもめ』などは、創刊から今もってなお最上級のクオリティを維持していますが、これもまたいくつかある高い山の頂上という感じになってきています。創刊やリニューアルを検討する各企業は、いくつもあるすばらしいお手本の中から自分たちの目指すモデルを探し、参照することが可能になってきています。

 

最近創刊された事例を探ると、例えばある会社は、「企業理念共有」を社内報発行の第一目的に置き、企業理念の解釈の方法&落とし込みの考えや、成功事例に横たわっていた会社のイムズが見られる事例を社内報の中心的読み物として取り上げ、徹底的にこればかりを掲載して、従業員に浸透させていくことを目的としてつくる方法を採用しました。といっても企業理念!!! ばかりが前面にでているのではなく、事例と通してイムズが伝わるような誌面を作る・・・、つまり従業員読者にはさりげなく刺さる感じを意識しています。理念が伝わったかという目的から見れば、事例は参照され、自部署の取り組みに参考にされることも多く、自社の企業精神を一定的に根付かせるという結果を導き出せたという結論となっています。

 

ある会社は、創刊後の3年間の発行目的を、「コミュニケーション活性化の徹底」と割り切りました。目的はシンプルにこれだけです。会社を仲良くする、社内の自発的な飲み会を増やすという明確かつ具体的な目的を設定し、経営層の了承も獲得。管理職者も積極的に飲みニケーション(経費OK!!)を行い、結果従業員満足度のポイントを20伸ばすことに成功しました(離職率も大幅に改善)。つまり、その前まではけっこうパワー系でギスギスしていたという現状が想像に難くないと思いますが、本当に社内報発行から3年でガラッとかわり、業績も急成長にシフトしています。

 

ある会社は、自社に鋼のように横たわる「真面目」精神を損なうことなく、その風土にあった特集、連載、コミュニケーション企画などをやり続けました。けっして刺激的ではなく、予定調和的な誌面が繰り返される作りではありますが、だからこそ結果、安定した精読率を得るに至り、社内の不可欠なコミュニケーションツールとしての地位を確立しています。

 

つまり、社内報の多様化は、発行目的の多様化でもあるわけです。そしてみられる特徴としては、その発行目的を、「できること」「目指すこと」軸に明確に翻訳して設定し、そのゴール到達を想定して誌面を作っていることから起こっているともいえるのです。

弊社としても、ウェブサイト上では、「短く」「軽く」「かっこよく」という、読まれる社内報づくりのノウハウを宣言しておりますが、これはあくまで「精読率アップ」のための方法論であり、コンセプト設定の場面では社内報制作相談の際に、企業・団体の土壌、課題や中計、長期計画、社内風土の分析、(あれば)サーベイの結果などを参照し、そのお客様にのみある「解」を探すというやり方で、お付き合いしてきました。

 

新型コロナウイルス感染症が与えた影響

そんな社内報制作のトレンドがかなり顕著になってきていると思っていたころに、この新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生しました。業種によっては、存在そのものが吹き飛ぶような大嵐。この中でも、仕組み、情勢的に売り上げを伸ばす会社もありましたが、ほとんどの企業は、売上に影響を受け、働き方を大きく変え、自社の存在理由までも影響をうけるようなパラダイムシフトが起こりました。パーソナルなレベルでも人生観仕事観を大きく変えるような出来事であったと思います。

大げさではなく、人類が初めて経験する大激震です。ゆえに社内報もシフトする必要がある、というよりしないわけがありません。そしてこれもまた、多様化の一途をたどることとなるでしょう。多様化しないほうが、もはや不自然であるからです。

社内報は、紙、ウェブ(PC閲覧用)、アプリ(スマホ閲覧用)という、3つのメディアが主流であります。これに、メルマガやグループウェアの機能等を利用したもので代用するという方法もあるでしょう。広義にとらえれば朝礼夕礼、さらには社内イベントも含めて、社内コミュニケーションのためのツールという見方もできます。つまり、多様化する目的、そして多様化するメディアがあり、そのミックス効果で社内報が様々な体をとるようになってきた状況に、多様化する働き方、さらに多様化する企業存在理由までが加わってきてしまったからです。

 

アフターコロナ、ウィズコロナの社内報

そのすべての組み合わせが可能である今、社内報の正解としての方向付けなどはもはや無意味です。では何をすべきか? 企業の社内報担当者の皆様のみならず、経営者、経営層の皆様は、この新型コロナウイルス感染症によって顕在化してきた、あるいは新たに生じてきた社内にある課題を洗いざらいリストアップしてみることから始めるべきです。大小さまざま、実にいろいろあるはずです。

先日寄せられた相談に、「社内報(紙)配布時に、在社しない社員が相当数いるがどうするべきか?」というものがありました。これには、経費こそかかりますが、家庭への直接送付という手段もあります。家族が社内報を見ることの効果は結構あります。従事者の仕事への理解、会社への信頼など、それは無形の資産ともなる重要な要素にもなりえます。そうした家族の目線まで意識した社内報を制作するには、作りこみの段階でいろいろ良い意味での変化をもたらすことでしょう。

こんな相談もありました。「蓄積されてくる従業員の不安に対して払拭するような企画はないか?」 このお客様の場合は、紙社内報とグループウェアを活用されておりましたので、メディアの特性を利用した作戦を提案しました。紙は速報性に欠けますが、丁寧な説明による理解、精読率の高さなどの効果があり、ウェブやアプリ、グループウェアなどは速報性、改変性に優れており、この双方向からの企画が効果的です。つまり、会社の状況は速報的に正直に流し目に見えないことによる不安をなくし、変わらないビジョンや中長期でのありかたは力強いメッセージを紙で流すというモチベーションからの効果を狙っていきます。その内容も、ただがんばろうというのではなく、包み隠さない経営の本心、そしてこの状況からのお願いという形で記事にしていくことにしました。経営層も十分に納得していただいたうえで、インタビューを決行(もちろんオンライン)。今まさに、このお客様の社内報史上で最も赤裸々で正直で感動的な社長メッセージがこの夏に発せられようとしています。

業界的展望は? 収束後に部署はどうなるの? いつまでテレワーク? 制度的な働き方は変わっていくのか? 世界恐慌、その中で自社は? 新卒なのにまだ会社に行けてません(涙)… 従業員の個々に占める不安は、必ず解消しなくてはならない企業の課題です。さらには社内報発行目的の鉄板である、理念浸透も、一体感醸成も、社内コミュニケーションの活性化も、事業部間の相互理解も、そしてアフターコロナ&ウィズコロナでの自社の有り様の理解も同様です。

社内報担当者の皆さんは、こうした現状に対し、そのかじ取りの一部を担うことになります。それは会社の行く末にも影響を与えるとても重要な役割です。だからこそ、どういう媒体を発行するのか? 何を解決するのか? メディアの選択は? そのための作りはどうするのか? 配布方法は何が効果的か? というような「核」をはっきりと握ってください。手を動かしたりする部分は、業者に振りましょう…ご予算次第ですが(汗)。そして、変な話ですが、その業者の「社内報かくあるべし」的な話は軽くあしらって、「うちの社内報はこうです!」という魂を伝えてください。それで響かない制作業者の担当は、残念ながらおそらくハズレです。速やかに担当変更をお願いしましょう。

アフターコロナ、ウィズコロナの社会の中で、ガバナンス視点で社内報は必ずその重要性を増すものと思っております。だからこそ、担当、担当部署全体でガバナンス視点での社内報の価値、意義を考えてみてください。御社のみの解が、必ずあるはずです。私たちはその解のカタチを見るのがともかく大好きです。皆さんの奮闘、心から祈念しております!

 

 

 

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました! もし皆さんが、社内報担当者であれば、以下のアンケートを一問だけお答えくださいませ。なにとぞよろしくお願いいたします

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